全銀協TIBOR改革

全銀協TIBORの改革

全銀協TIBORの透明性・頑健性・信頼性を高めるため、2017年7月に実施した「全銀協TIBOR改革」および同改革以降にさらなる頑健性の向上等を図るために実施している「全銀協TIBOR改革Next」に関する取組みについて紹介します。

更新情報

・2022年9月30日 「国内外の動向」を更新しました。

・2022年8月31日 「国内外の動向」を更新しました。

・2022年8月1日  「ユーロ円TIBORを巡る動向」、「国内外の動向」を更新しました。

・2022年6月30日 「全銀協TIBOR改革」を開設しました。

全銀協TIBOR改革

2012年に明らかになったLIBOR(London InterBank Offered Rate)不正操作問題を契機として、世界各国・地域の監督当局等から構成される証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions : IOSCO)は、2013年7月に「金融指標に関する原則の最終報告書」(通称:IOSCO原則)を公表し、LIBORやTIBOR等の主要な金利指標の運営機関に対して、19からなる当該原則の遵守を要請しました。
また、金融安定理事会(Financial Stability Board : FSB)は、2014年7月に「主要な金利指標の改革」を公表し、レート呈示者の恣意的な判断が入る余地を極力排する仕組みをつくり、指標の透明性・頑健性・信頼性を高める改革を行う必要性がある旨を提言しました。
こうした国際的な要請/提言を踏まえ、2014年4月に設立された当運営機関は3回に亘る市中協議を経て、全銀協TIBORを「より実際の取引に依拠する指標」とするため、リファレンス・バンクによる呈示レートの算出・決定プロセスの統一・明確化を一つのコンセプトとした「全銀協TIBOR改革」を2017年7月に実施しました。

全銀協TIBOR改革Next

当運営機関は、2017年7月に実施した「全銀協TIBOR改革」以降におけるさらなる頑健性の向上等を図るための取組み(IOSCO原則7および13について認識する一部課題の解消に向けた取組み。後述参照。)を「全銀協TIBOR改革Next」と呼称しています。これまでの取組みのポイントは以下のとおりです。

【2018年10月】(日本円/ユーロ円TIBORの統合等の方向性に関する市中協議)
○ ユーロ円TIBORの評価対象市場の長期的な縮小傾向等を踏まえ、日本円TIBORとユーロ円TIBORの統合等の方向性に係る市中協議を実施。

【2019年5月】(「ユーロ円TIBORを廃止する」案が最も支持を獲得)
○ 上記市中協議において「日本円TIBORを維持し、ユーロ円TIBORを廃止する」案が最も支持されたことを踏まえ、以下の2点を公表。
①同案を最も有力な選択肢として、金融市場の動向やLIBOR等に関する国内外の議論の動向等にも配慮しながら改革の具体的な内容を検討する。
②その実施時期は、LIBOR公表が恒久的に停止された後、2年程度の準備期間を確保する。

【2021年3月】(ユーロ円TIBORを廃止する場合の想定時期を公表)
○ LIBORの監督当局から公表されたLIBORの公表停止時期等に関する声明を踏まえ、「(ユーロ円TIBORを廃止する場合の)実施時期は2024年12月末になると想定している」旨を公表。また、全銀協TIBORの代替指標(フォールバック・レート)の候補例に関しても市中協議の実施を含む検討を進めていく旨を公表。

(予定) 【2022年第3四半期】(フォールバックに係る論点に関する市中協議を公表)
○ 全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議を公表予定。


・ポジション・ペーパー

金融市場参加者や金利指標ユーザーを対象に、全銀協TIBORの改革に関する取組み、および現在の算出・公表手続き等を分かりやすくまとめた資料を公表しています。

全銀協TIBORに関するポジション・ペーパー「金利指標改革を踏まえた全銀協TIBORの現状および今後の展望」

全銀協TIBORに関するポジション・ペーパー詳細説明資料

・IOSCO原則遵守状況の報告

当運営機関は、業務規程第2条第2項にもとづき、IOSCO原則の遵守状況を年次でレビューし、その概要を公表しています(詳細は下記リンクを参照)。

「金融指標に関するIOSCO原則(19原則)」の遵守状況について(2022年3月9日公表)

当運営機関は、全銀協TIBOR改革により、IOSCO原則を遵守していると評価しています。一方で、原則7(データの十分性)および原則13(移行)に関しては、全銀協TIBORのより一層の透明性・頑健性・信頼性の向上を図る観点から一部課題を認識しており、その解消に向けた取組み(「全銀協TIBOR改革Next」)を継続しています。

IOSCO原則の概要 認識している一部課題
原則7 データの十分性
指標の決定に使用するデータは、指標が計測する「価値」を正確かつ高い信頼性をもって反映するのに十分であるべきである。
・ユーロ円TIBORの呈示レートが評価対象市場(本邦オフショア市場)のデータで決定される割合が低い。また、本邦オフショア市場の市場規模も長期的な縮小傾向にあり、日本円TIBORの評価対象市場である本邦無担保コール市場に比して相対的に規模が小さい。
原則13 移行
運営機関は、指標の停止の必要性に対応するため、明確な方針書と手続書を整備すべきである。指標停止の可能性に対応する運営機関の方針書と手続書には、運営機関が妥当かつ適切であると判断した場合、信頼性が高い代替指標を選択するための基準等を含めることが考えられる。
・代替指標(以下、「フォールバック・レート」という。)への移行に向けた方針書・手続書については2020年3月に制定済みであるものの、全銀協 TIBORの適切なフォールバック・レートの検討が未済

TIBORエクスポージャー調査

当運営機関は、全銀協TIBOR改革Nextに際し、TIBORを参照している金融商品・取引等の残高等を把握し、利用実態に即した検討を行うことを目的として、金融機関(銀行・証券・保険等)を幅広く対象とした「TIBORエクスポージャー調査」(基準日:2021年12月末)を実施しました。
結果概要は、下表のとおりであり、日本円TIBORを参照する契約の残高は貸出が約119.8兆円、債券(調達)が約4000億円、デリバティブの想定元本が約180.4兆円、ユーロ円TIBORを参照する契約の残高は貸出が約3.8兆円、債券(調達)が約40億円、デリバティブの想定元本が347.7兆円でした。(詳細は、「全銀協TIBORエクスポージャー調査の結果概要の公表について」を参照)

日本円TIBOR ユーロ円TIBOR
残高 契約件数 残高 契約件数
貸出 119.8 290.8 3.8 (1.6) 2.7 (1.4)
債券(調達) 0.4 0.1 0.004 (0.004) 0.01 (0.01)
デリバティブ 180.4 47.2 347.7 (206.1) 30.7 (21.5)

※1 残高(デリバティブは想定元本):兆円、契約件数:千件
※2 ユーロ円TIBORの括弧内は残高/契約件数のうち満期が2024年末を超えるもの

市中協議

2022年8月、当運営機関は、全銀協TIBOR(日本円TIBOR、ユーロ円TIBOR)について、その基本的な性質や、上記のエクスポージャー調査結果により判明した利用状況を踏まえ、そのフォールバックに関する論点に係る市中協議「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」を公表しました。

「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の公表について

市中協議は、全銀協TIBORを参照するキャッシュ商品(貸出・債券)を対象として、フォールバックの論点である「トリガー」および後継金利の構成要素である「フォールバック・レート」、「スプレッド調整」に関し、LIBORやEURIBORに関する各法域の検討体における推奨内容や、ISDAによる全銀協TIBORを参照するデリバティブに関する整理内容等を踏まえて検討を行った結果として、以下の内容について意見を求めるものです(意見募集期限:2022年9月30日(金))。

今後、市中協議で寄せられた意見をもとに改めて論点を整理し、2022年度末を目途に結果を公表する予定です。詳細は、市中協議文書をご参照ください。

〔検討論点〕

1.トリガー(日本円TIBOR・ユーロ円TIBOR共通)

(1)公表停止トリガー

(2)金利指標の指標性喪失に係る公表停止前トリガー

(3)その他のトリガー

2.日本円TIBORの後継金利

(1)日本円TIBORのフォールバック・レート

(2)スプレッド調整手法

3.ユーロ円TIBORの後継金利

(1)ユーロ円TIBORのフォールバック・レート

(2)スプレッド調整手法

国内外の動向

日付 主体 タイトル 概要
2022年9月 金利指標フォーラム 金利指標フォーラム第2回会合 9月9日に開催された第2回金利指標フォーラムにおいて、本邦市場における代替金利指標を巡る動向として、全銀協TIBOR運営機関から、TIBORの信頼性・頑健性向上に向けた取組みを報告。具体的には、「全銀協TIBORのエクスポージャー調査の結果概要」や「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」について概説。
2022年8月 東京金融取引所 日本円金利指標改革への対応等について 東京金融取引所は、ユーロ円TIBORを原資産とするユーロ円3ヵ月金利先物(取引最終日が2025年1月以降に到来する限月)およびユーロ円3ヵ月金利先物オプション取引の全ての限月を取引停止とすることについて市中協議を実施。市場参加者から意見は寄せられなかったことから、2023年第1四半期に取引停止となる予定。
2022年8月 Refinitiv 東京スワップレートのベンチマークに関するコンサルテーション・ペーパーの公表 Refinitivは、ユーロ円TIBORを参照するTIBOR TSRの公表停止およびそのフォールバックに関する検討、日本円TIBORを参照する新たなTIBOR TSRの構築等について市中協議を公表(意見募集期限:2022年9月14日(水))。
2022年8月 全銀協TIBOR運営機関 「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の公表について 全銀協TIBOR運営機関は、全銀協TIBORの基本的な性質や、エクスポージャー調査によって判明した利用状況を踏まえ、そのフォールバックに係る論点(トリガー、フォールバック・レート、スプレッド調整等)に関する市中協議を公表(意見募集期限:2022年9月30日(金))
2022年6月 東京金融取引所 日本円金利指標改革への対応等について 東京金融取引所は、2024年末に公表停止が想定されているユーロ円TIBORを原資産とする金利先物の期先限月(2025年以降に期限が到来する限月)の取引停止について準備を開始する旨を公表。
2022年5月 全銀協TIBOR運営機関 全銀協TIBOR運営機関による「全銀協TIBORエクスポージャー調査」結果概要の公表について 全銀協TIBOR運営機関は、主要行等277先を対象に実施した全銀協TIBORのエクスポージャー調査(2021年12月末基準)の結果概要を公表。本件は金融庁のウェブサイトにおいても公表が行われている。
2022年5月 金利指標フォーラム 金利指標フォーラム第1回会合 4月21日に開催された第1回金利指標フォーラムにおいて、本邦市場における代替金利指標を巡る動向として、全銀協TIBOR運営機関から、全銀協TIBORの頑健性等に係るIOSCO原則遵守状況の自己評価および今後の市中協議等の取組みについて報告。

関連リンク

≪日本≫

金融庁「LIBORの恒久的な公表停止に備えた対応について」

日本銀行「金利指標改革(LIBORの恒久的な公表停止に備えた対応)」

金利指標フォーラム(旧:日本円金利指標に関する検討委員会)

全国銀行協会「LIBOR特設ページ<米ドルLIBORピックアップ>」

≪海外≫

・欧州 Working Group on Euro Risk-Free Rates

 ・EURIBORのフォールバックトリガーイベントに関する市中協議結果

 ・EURIBORのフォールバック・レートに関する市中協議結果

 ・EURIBORのフォールバックのトリガーイベントおよびフォールバック・レートに関する推奨

・国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)

 ・ISDA Benchmark Reform and Transition from LIBOR

 ・ISDA 2020 IBOR Fallbacks Protocol

≪指標≫

日本銀行「コール市場関連統計」

株式会社QUICK「東京ターム物リスク・フリー・レート」

ユーロ円TIBORを巡る動向

当運営機関は、過去の市中協議に寄せられたご意見を踏まえ、「日本円TIBORを維持し、ユーロ円TIBORを廃止する」案を最も有力な選択肢として検討を進めており、現時点では、ユーロ円TIBORを廃止する場合の実施時期は2024年12月末になると想定しています(「全銀協TIBOR改革Next」を参照)。

※ユーロ円TIBORを巡る動向は順次更新します。

【ユーロ円TIBOR関連】更新情報

・2022年8月1日 「市中協議」を追加しました。

【ユーロ円TIBOR関連】市中協議

2022年8月に公表した「全銀協TIBORのフォールバックに関する市中協議文書」においては、上記のとおり、ユーロ円TIBORから後継金利(フォールバック・レートおよびスプレッド調整値)へのフォールバックに関する論点について検討を行っています。

今後、当運営機関は、「2024年12月末の廃止」を最も有力な選択肢として想定しているユーロ円TIBORについて、本市中協議の結果のほか、「全銀協TIBOR業務規程」の第51条において、全銀協TIBORの恒久的な公表停止に関する検討ステップ(公表停止の6か月以上前に、公表停止の時期や理由等を公表すること)を定めていることも踏まえ、2023年度内にユーロ円TIBORの公表停止の実施可否に関する市中協議を実施する予定です。


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