全銀協TIBOR改革
全銀協TIBORの改革
全銀協TIBORの透明性・頑健性・信頼性を高めるため、2017年7月に実施した「全銀協TIBOR改革」および同改革以降にさらなる頑健性の向上等を図るために実施している「全銀協TIBOR改革Next」に関する取組みについて紹介します。
更新情報
・2023年10月4日 「国内外の動向」を更新しました。
・2023年8月1日 「全銀協TIBOR改革Next」「市中協議およびその結果」「国内外の動向」「ユーロ円TIBORを巡る動向」を更新しました。
・2023年5月31日 「国内外の動向」を更新しました。
・2023年3月31日 「国内外の動向」を更新しました。
・2023年3月28日 「全銀協TIBOR改革Next」「市中協議およびその結果」「ユーロ円TIBORを巡る動向」を更新しました。
・2023年1月31日 「国内外の動向」を更新しました。
・2022年11月30日 「国内外の動向」を更新しました。
・2022年9月30日 「国内外の動向」を更新しました。
・2022年8月31日 「国内外の動向」を更新しました。
・2022年8月1日 「ユーロ円TIBORを巡る動向」「国内外の動向」を更新しました。
・2022年6月30日 「全銀協TIBOR改革」を開設しました。
全銀協TIBOR改革
2012年に明らかになったLIBOR(London InterBank Offered Rate)不正操作問題を契機として、世界各国・地域の監督当局等から構成される証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions : IOSCO)は、2013年7月に「金融指標に関する原則の最終報告書」(通称:IOSCO原則)を公表し、LIBORやTIBOR等の主要な金利指標の運営機関に対して、19からなる当該原則の遵守を要請しました。
また、金融安定理事会(Financial Stability Board : FSB)は、2014年7月に「主要な金利指標の改革」を公表し、レート呈示者の恣意的な判断が入る余地を極力排する仕組みをつくり、指標の透明性・頑健性・信頼性を高める改革を行う必要性がある旨を提言しました。
こうした国際的な要請/提言を踏まえ、2014年4月に設立された当運営機関は3回に亘る市中協議を経て、全銀協TIBORを「より実際の取引に依拠する指標」とするため、リファレンス・バンクによる呈示レートの算出・決定プロセスの統一・明確化を一つのコンセプトとした「全銀協TIBOR改革」を2017年7月に実施しました。
全銀協TIBOR改革Next
当運営機関は、2017年7月に実施した「全銀協TIBOR改革」以降におけるさらなる頑健性の向上等を図るための取組み(IOSCO原則7(データの十分性)および13(移行)について認識する一部課題の解消に向けた取組み。後述参照。)を「全銀協TIBOR改革Next」と呼称しています。これまでの取組みのポイントは以下のとおりです。
【2018年10月】(日本円/ユーロ円TIBORの統合等の方向性に関する市中協議)
○ ユーロ円TIBORの評価対象市場の長期的な縮小傾向等を踏まえ、日本円TIBORとユーロ円TIBORの統合等の方向性に係る市中協議を実施。
【2019年5月】(「ユーロ円TIBORを廃止する」案が最も支持を獲得)
○ 上記市中協議において「日本円TIBORを維持し、ユーロ円TIBORを廃止する」案が最も支持されたことを踏まえ、以下の2点を公表。
①同案を最も有力な選択肢として、金融市場の動向やLIBOR等に関する国内外の議論の動向等にも配慮しながら改革の具体的な内容を検討する。
②その実施時期は、LIBOR公表が恒久的に停止された後、2年程度の準備期間を確保する。
【2021年3月】(ユーロ円TIBORを廃止する場合の想定時期を公表)
○ LIBORの監督当局から公表されたLIBORの公表停止時期等に関する声明を踏まえ、「(ユーロ円TIBORを廃止する場合の)実施時期は2024年12月末になると想定している」旨を公表。また、全銀協TIBORの代替指標(フォールバック・レート)の候補例に関しても市中協議の実施を含む検討を進めていく旨を公表。
【2022年8月】(フォールバックに係る論点に関する市中協議)
○ 全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議を公表。
【2023年3月】(フォールバックに係る論点に関する市中協議結果)
○ 上記市中協議に寄せられた意見にもとづき、全銀協TIBORのフォールバックに係る論点(トリガーおよび後継金利)について当運営機関の見解(詳細は後述)および全銀協TIBORを参照する契約へのフォールバック条項の導入に係る考え方を提示。
○ なお、市中協議結果において、ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否に関する市中協議は2023年度上半期に公表し、その結果公表は同下半期となる想定である旨を記載。
【2023年8月】(ユーロ円TIBORの公表停止に関する市中協議)
○ ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議を公表。
・IOSCO原則の遵守状況
当運営機関は、業務規程第2条第2項にもとづき、IOSCO原則の遵守状況を年次でレビューし、その概要を公表しています。
○ 「金融指標に関するIOSCO原則(19原則)」の遵守状況について(2023年3月27日公表)
当運営機関は、全銀協TIBOR改革により、IOSCO原則を遵守していると評価しています。なお、2023年3月のレビューでは、全銀協TIBORのより一層の透明性・頑健性・信頼性の向上を図る観点から原則13(移行)および原則7(データの十分性)において認識していた一部課題のうち、原則13に係る課題については、全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議の結果公表等を経て、解消したと評価しています。
IOSCO原則の概要 | 課題認識など |
---|---|
原則13 移行 運営機関は、指標の停止の必要性に対応するため、明確な方針書と手続書を整備すべきである。指標停止の可能性に対応する運営機関の方針書と手続書には、運営機関が妥当かつ適切であると判断した場合、信頼性が高い代替指標を選択するための基準等を含めることが考えられる。 |
<完全遵守> ・代替指標(以下、「フォールバック・レート」という。)への移行に向けた方針書・手続書については2020年3月に制定済。 |
原則7 データの十分性 指標の決定に使用するデータは、指標が計測する「価値」を正確かつ高い信頼性をもって反映するのに十分であるべきである。 |
<一部課題あり> ・ユーロ円TIBORの呈示レートが評価対象市場(本邦オフショア市場)のデータで決定される割合が低い。また、本邦オフショア市場の市場規模も長期的な縮小傾向にあり、日本円TIBORの評価対象市場である本邦無担保コール市場に比して相対的に規模が小さい。 |
・TIBORエクスポージャー調査(2021年12月時点)
当運営機関は、全銀協TIBOR改革Nextに際し、TIBORを参照している金融商品・取引等の残高等を把握し、利用実態に即した検討を行うことを目的として、金融機関(銀行・証券・保険等)を幅広く対象とした「TIBORエクスポージャー調査」(基準日:2021年12月末)を実施しました。
結果概要は、下表のとおりであり、日本円TIBORを参照する契約の残高は貸出が約119.8兆円、債券(調達)が約4000億円、デリバティブの想定元本が約180.4兆円、ユーロ円TIBORを参照する契約の残高は貸出が約3.8兆円、債券(調達)が約40億円、デリバティブの想定元本が347.7兆円でした。(詳細は、「全銀協TIBORエクスポージャー調査の結果概要の公表について」を参照)
日本円TIBOR | ユーロ円TIBOR | |||
---|---|---|---|---|
残高 | 契約件数 | 残高 | 契約件数 | |
貸出 | 119.8 | 290.8 | 3.8 (1.6) | 2.7 (1.4) |
債券(調達) | 0.4 | 0.1 | 0.004 (0.004) | 0.01 (0.01) |
デリバティブ | 180.4 | 47.2 | 347.7 (206.1) | 30.7 (21.5) |
※1 残高(デリバティブは想定元本):兆円、契約件数:千件
※2 ユーロ円TIBORの括弧内は残高/契約件数のうち満期が2024年末を超えるもの
・ポジション・ペーパー(2023年6月時点)
当運営機関では、金融市場参加者や金利指標ユーザーを対象に、全銀協TIBORの改革に関する取組み、および現在の算出・公表手続き等を分かりやすくまとめた資料を公表しています。
○ 全銀協TIBORに関するポジション・ペーパー「金利指標改革を踏まえた全銀協TIBORの現状および今後の展望」
○ 全銀協TIBORに関するポジション・ペーパー詳細説明資料
市中協議およびその結果
(1)全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議
2022年8月、当運営機関は、全銀協TIBOR(日本円TIBOR、ユーロ円TIBOR)について、その基本的な性質や、上記のエクスポージャー調査結果により判明した利用状況を踏まえ、そのフォールバックに関する論点に係る市中協議「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」を実施しました。
○ 「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の公表について
市中協議は、全銀協TIBORを参照するキャッシュ商品(貸出・債券)を対象として、フォールバックの論点である「トリガー」および後継金利の構成要素である「フォールバック・レート」、「スプレッド調整」に関し、LIBORやEURIBORに関する各法域の検討体における推奨内容や、ISDAによる全銀協TIBORを参照するデリバティブに関する整理内容等を踏まえて検討を行った結果について意見を求めました。
2023年3月には、市中協議結果を公表しています。
〇「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の結果公表について
同市中協議結果においては、全銀協TIBORのフォールバックに係る各論点について、以下のとおり当運営機関の見解※を示しています。
(※)全銀協TIBORを参照する個別の契約に何らの強制力を及ぼすものではなく、運営機関として特定のレートや手法等の推奨および 市中協議の結果とは異なる内容で契約の当事者が合意することを妨げるものではありません。
加えて、各指標が置かれた状況や市中協議に寄せられたご意見を踏まえ、全銀協TIBORを参照する契約へのフォールバック条項の導入に係る考え方を以下のとおり提示しています。また、金融庁からは、本市中協議結果を踏まえ、全銀協TIBOR参照契約へのフォールバック条項の導入に向けた取組みが進められることを期待するとともに、必要な後押しをしていく旨のアナウンスが発出されています。
○ 全銀協TIBOR運営機関による「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」結果の公表について
【ユーロ円TIBORを参照する契約へのフォールバック条項の導入】
ユーロ円TIBORは、2024年12月末での恒久的な公表停止が検討されていることを踏まえると、その利用者においては、同指標を参照する契約のうち、2024年12月末を超えて満期が到来するものについては、恒久的な公表停止に備える対応の選択肢の一つとして、速やかに、フォールバック条項の導入を検討すべきと考えられます。
【日本円TIBORを参照する契約へのフォールバック条項の導入】
日本円TIBORは、現時点で、恒久的な公表停止について何ら検討されておりませんが、契約の安定性・頑健性向上の観点から、同指標を参照する契約についても、フォールバック条項の導入を検討すべきと考えられます。
ただし、市中協議に寄せられた意見では、残高および件数ともに非常に多く、かつ、何ら恒久的な公表停止が検討されていない日本円TIBORを参照する契約にフォールバック条項を導入する場合の実務負荷が指摘されていることを踏まえると、その利用者においては、例えば、まずは日本円TIBORを参照する「新規」契約から順次フォールバック条項を導入する等、実務的に対応可能なかたちで、対応を進めることが考えられます。
(2)ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議
2023年8月、当運営機関は「全銀協TIBOR業務規程」に則り、ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否、および同指標を公表停止する場合の時期(2024年12月末に公表停止することでよいか)についてご意見をお伺いすべく「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」を公表しました。なお、関連する論点としてユーロ円TIBOR参照商品のマイルストーン(新規取引の停止時期)についてもご意見をお伺いしています。
○ 「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」の公表について
国内外の動向
日付 | 主体 | タイトル | 概要 |
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2023年10月 | 全国銀行協会 | 日本円TIBOR参照契約へのフォールバック条項の導入に関するファクトシートの公表について |
全国銀行協会は、現時点で何ら公表停止が検討されていない日本円TIBORを参照する貸出の契約当事者が、万一の公表停止に備える対応として、フォールバック条項を円滑に導入することができるよう、ファクトシート「日本円TIBORをご利用する契約へのフォールバック条項導入についてのご案内」を作成、公表。
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2023年9月 | 日本ローン債権市場協会(JSLA) | 全銀協TIBORを参照するシンジケートローンのフォールバック条項の参考例(サンプル) |
JSLAは、シンジケートローン契約の頑健性等向上の観点から、円滑かつ効率的にフォールバック条項の導入手続き等を進めていくことができるよう、「シンジケートローンのフォールバック条項の参考例(サンプル)(TIBOR 編)」およびその解説を作成、公表。
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2023年8月 | 国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA) | ISDA Statement on JBATA Consultation on Euroyen TIBOR |
ISDAは、全銀協TIBOR運営機関が「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」を公表したことを受けて、ステートメントを公表。
同市中協議の公表は、ISDA定義集等における「公表停止トリガー」に該当しないため、スプレッドの計算に影響を与えることはない、と言及。
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2023年8月 | 全銀協TIBOR運営機関 | 「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」の公表について | 全銀協TIBOR運営機関は、2018年に実施した市中協議「日本円TIBORとユーロ円TIBORの統合等に係る方向性について」の結果等を踏まえ、「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」を公表(意見募集期限:2023年9月30日(土)) |
2023年4月 | 金利指標フォーラム | 金利指標フォーラム第4回会合 |
3月28日に開催された第4回金利指標フォーラムにおいて、全銀協TIBORの頑健性等向上に向けた最近の取組みとして、全銀協TIBOR運営機関から、全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議の結果概要や2023年度におけるユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議の実施予定等を説明。
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2023年3月 | 全国銀行協会 | 全銀協TIBORを参照する相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)の公表について |
全国銀行協会は、全銀協TIBORを参照する相対貸出の契約当事者が、当該契約の頑健性等向上を図る観点から、円滑かつ効率的にフォールバック条項の導入手続き等を進めていくことができるよう、「相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)」およびその解説を、森・濱田松本法律事務所の監修のもと作成、公表。
同参考例は、全銀協TIBOR運営機関による「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議の結果」の整理内容を反映しているほか、同協会が日本円LIBOR参照契約への導入を念頭に作成・公表した「相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)」を参考としており、日本円TIBOR・ユーロ円TIBORのそれぞれについて、ハードワイヤードアプローチ、修正アプローチの2種の参考例が公表されている。
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2023年3月 | 全銀協TIBOR運営機関 | 「金融指標に関するIOSCO原則(19原則)」の遵守状況等について |
全銀協TIBOR運営機関は、IOSCOによる「金融指標に関する原則の最終報告書」を踏まえて、全銀協TIBORの算出・公表に関する自己評価を公表。
全銀協TIBORのより一層の透明性・頑健性・信頼性の向上を図る観点から、IOSCO原則7(データの十分性)および同原則13(移行)において認識している一部課題のうち、原則13に係る課題については、「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の実施等により解消したと評価。
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2023年3月 | 金融庁 | 全銀協TIBOR運営機関による「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」結果の公表について |
金融庁は、全銀協TIBOR運営機関が「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の結果を公表したことを受けて、アナウンスを公表。
同市中協議結果を引用するかたちで、「金融庁としても、円金利指標の頑健性等向上の観点から、本市中協議結果を踏まえ、全銀協TIBOR参照契約へのフォールバック条項の導入に向けた取組みが進められることを期待するとともに、必要な後押しをしていきます」と言及されている。
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2023年3月 | 全銀協TIBOR運営機関 | 「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の結果等の公表について |
全銀協TIBOR運営機関は、2022年8月に実施した「全銀協TIBORのフォールバック等に係る論点に関する市中協議」の結果を公表。全銀協TIBORを参照するキャッシュ商品のフォールバックについて、①トリガー、②フォールバック・レートの候補、③スプレッド調整手法等に対して提示した「考え方」が回答者から幅広く支持された。
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2023年3月 | 東京金融取引所 | ユーロ円3ヵ月金利先物の期先限月及びユーロ円3ヵ月金利先物オプション取引の付合せ停止について | 東京金融取引所は、2024年末に公表停止が想定されているユーロ円TIBORを原資産とする金利先物について、2023年3月20日の日中取引時間帯開始時から、期先限月(取引最終日が2025年1月以降に到来する限月)および金利先物オプション取引の全ての限月の付合せを停止する旨を公表。 |
2022年12月 | 金利指標フォーラム | 金利指標フォーラム第3回会合 | 12月13日に開催された第3回金利指標フォーラムにおいて、本邦市場における代替金利指標を巡る動向として、全銀協TIBOR運営機関から、TIBORの信頼性・頑健性向上に向けた取組みを報告。具体的には、2023年3月頃に予定されている「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の結果公表や、2023年度中に予定されている「ユーロ円TIBOR公表停止の実施可否に関する市中協議」の実施について概説。 |
2022年10月 | Refinitiv | 東京スワップレートのベンチマークに関するコンサルテーション・ペーパーの結果 | 2022年8月に公表された、ユーロ円TIBORを参照するTIBOR TSRの公表停止等に関する市中協議の結果を公表。同指標は2023年3月31日(金)15時30分をもってすべてのテナーの公表を完全に終了することを決定。併せて、本公表は、2021年版ISDA定義集等における「Index Cessation Event」に該当する旨を公表。 日本円TIBORを参照する新たなTIBOR TSRについては、〔1〕市中協議でも言及したとおり、現行のユーロ円TIBORを参照するTSRの公表終了日の前に公表されることはなく、〔2〕引き続き、日本円 TIBOR を参照する金利スワップ市場における流動性やデータが、入力データとして利用可能かどうかをモニターしたうえで、〔3〕日本円TIBORを参照するTIBOR TSRのニーズに応じて、将来的に算出・公表の可否を見直す可能性がある、と言及。 |
2022年9月 | 金利指標フォーラム | 金利指標フォーラム第2回会合 | 9月9日に開催された第2回金利指標フォーラムにおいて、本邦市場における代替金利指標を巡る動向として、全銀協TIBOR運営機関から、TIBORの信頼性・頑健性向上に向けた取組みを報告。具体的には、「全銀協TIBORのエクスポージャー調査の結果概要」や「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」について概説。 |
2022年8月 | 東京金融取引所 | 日本円金利指標改革への対応等について | 東京金融取引所は、ユーロ円TIBORを原資産とするユーロ円3ヵ月金利先物(取引最終日が2025年1月以降に到来する限月)およびユーロ円3ヵ月金利先物オプション取引の全ての限月を取引停止とすることについて市中協議を実施。市場参加者から意見は寄せられなかったことから、2023年第1四半期に取引停止となる予定。 |
2022年8月 | Refinitiv | 東京スワップレートのベンチマークに関するコンサルテーション・ペーパーの公表 | Refinitivは、ユーロ円TIBORを参照するTIBOR TSRの公表停止およびそのフォールバックに関する検討、日本円TIBORを参照する新たなTIBOR TSRの構築等について市中協議を公表(意見募集期限:2022年9月14日(水))。 |
2022年8月 | 全銀協TIBOR運営機関 | 「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議」の公表について | 全銀協TIBOR運営機関は、全銀協TIBORの基本的な性質や、エクスポージャー調査によって判明した利用状況を踏まえ、そのフォールバックに係る論点(トリガー、フォールバック・レート、スプレッド調整等)に関する市中協議を公表(意見募集期限:2022年9月30日(金)) |
2022年6月 | 東京金融取引所 | 日本円金利指標改革への対応等について | 東京金融取引所は、2024年末に公表停止が想定されているユーロ円TIBORを原資産とする金利先物の期先限月(2025年以降に期限が到来する限月)の取引停止について準備を開始する旨を公表。 |
2022年5月 | 全銀協TIBOR運営機関 | 全銀協TIBOR運営機関による「全銀協TIBORエクスポージャー調査」結果概要の公表について | 全銀協TIBOR運営機関は、主要行等277先を対象に実施した全銀協TIBORのエクスポージャー調査(2021年12月末基準)の結果概要を公表。本件は金融庁のウェブサイトにおいても公表が行われている。 |
2022年5月 | 金利指標フォーラム | 金利指標フォーラム第1回会合 | 4月21日に開催された第1回金利指標フォーラムにおいて、本邦市場における代替金利指標を巡る動向として、全銀協TIBOR運営機関から、全銀協TIBORの頑健性等に係るIOSCO原則遵守状況の自己評価および今後の市中協議等の取組みについて報告。 |
関連リンク
≪日本≫
・金融庁「LIBORの恒久的な公表停止に備えた対応について」
・日本銀行「金利指標改革(LIBORの恒久的な公表停止に備えた対応)」
・金利指標フォーラム(旧:日本円金利指標に関する検討委員会)
・全国銀行協会「LIBOR特設ページ<米ドルLIBORピックアップ>」
≪海外≫
・欧州 Working Group on Euro Risk-Free Rates
・EURIBORのフォールバックトリガーイベントに関する市中協議結果
・EURIBORのフォールバック・レートに関する市中協議結果
・EURIBORのフォールバックのトリガーイベントおよびフォールバック・レートに関する推奨
・国際スワップ・デリバティブ協会(ISDA)
・ISDA Benchmark Reform and Transition from LIBOR
・ISDA 2020 IBOR Fallbacks Protocol
≪指標≫
ユーロ円TIBORを巡る動向
当運営機関は、過去の市中協議に寄せられたご意見を踏まえ、「日本円TIBORを維持し、ユーロ円TIBORを廃止する」案を最も有力な選択肢として具体的な検討を進めており、現時点では、ユーロ円TIBORを廃止する場合の実施時期は2024年12月末になると想定しています。
【ユーロ円TIBOR関連】更新情報
・2023年8月1日 「市中協議およびその結果」を更新しました。
・2023年3月28日 「市中協議」を更新しました。
・2022年8月1日 「市中協議」を追加しました。
【ユーロ円TIBOR関連】今後の対応
当運営機関は、「全銀協TIBOR業務規程」の第51条において、全銀協TIBORの恒久的な公表停止に関する検討ステップ(公表停止の6か月以上前に、公表停止の時期や理由等を公表すること)を定めています。
当該ステップを踏まえ、当運営機関は、2023年8月に開始した「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の実施可否等に関する市中協議」(意見募集期限:2023年9月30日(土))の結果を、2023年度末までに公表する予定です。
なお、同市中協議結果には、ユーロ円TIBORの公表停止の実施有無や、公表を停止する場合の具体的な実施時期に関する当運営機関の公式見解を記載する予定であり、仮に、「ユーロ円TIBORを恒久的に公表停止する」との見解が含まれていた場合には、当該市中協議結果の公表は「公表停止トリガー」に該当することが意図されています。